ファクタ 2011 10 29
ファクタ2011年8月号には、このような記事があります。
(以下、引用)
オリンパス 「無謀M&A」巨額損失の怪
零細企業3社の買収に700億円も投じて減損処理。
連結自己資本が吹っ飛びかねない。
不可解と言えば、これほど不可解な話もあるまい。
本業とは縁遠い小さなベンチャー企業を
08年3月期に3社まとめて700億円近くで買って子会社化し、
翌年には、ほぼその全額をこっそり減損処理している。
これだけ高額な買い物にもかかわらず、
なぜかオリンパスの有価証券報告書には、
これらの社名は、ほとんど記載されておらず、
業績動向も一切公表されていない。
(以上、引用)
ここで話題にするのは、
オリンパスの「無謀M&A」のことではなく、
「情報格差」のことです。
一般の人は、「このような小さな雑誌(8月号)で報道しているのに、
大手のマスコミは、なぜ気づかなかったのだろう」と思うでしょう。
しかし、大手マスコミも、機関投資家も、
「そんなことは、とっくの昔から知っていた」と言うかもしれません。
ファクタ8月号の記事内容では、
関係者にとって、このようなことは、公然の秘密だったようにも読めるのです。
ここに、一般投資家とプロとの「情報格差」が存在します。
仮に、大手マスコミや機関投資家は気づいていて、
一般投資家は、全く気づいていなかったとすれば、大きな問題でしょう。
もちろん、市場の一部で、
昔から、新興企業の「ITX」の大株主がオリンパスであることは、
話題になっていましたが、そのことを考慮しても、情報格差はあると思います。
仮に、大手マスコミや機関投資家も、
「実は、われわれも気がつかなかった」と言えば、
一般の人から、「プロのくせに、節穴か」と言われるでしょう。